校正は難しい?Adobe Acrobat DC やHipdfを駆使してデザイナーと円滑にやり取りしよう!
2019.11.23

こんにちは。
アートディレクターの山口崇多です。
日に日に乾燥を感じる季節となってきましたね。
私はこう見えて乾燥しやすいタイプで、この季節は人間と干物の間になってしまいます。
街中で歩く干物を見かけたら、それは私かもしれませんね。
もちろんデザイナーの方も、今後クライアントとやり取りする際に参考になると思いますので読んでみてください。
デザイナーとのコミュニケーションにお困りの方は、案外多くいらっしゃるのではないかと思っています。
特に校正の場面では、「伝え方が難しい」「何度伝えても思った通りにならない」などと途方にくれる事もあるかもしれません
今回のブログでは、このようなお悩みを抱える方々へ向けて校正のポイントをお伝えしていきます。
Adobe Acrobat DCやHipdfを使用して、デザイナーと上手にやり取りをしていきましょう!
一般的には、印刷物等の字句や内容、体裁、色彩の誤りや不具合を、あらかじめ修正することを言います。
具体的に言うと、デザイナーがあげてきたデータに赤字を入れて修正をお願いしたり、完成品までに間違いがないかをモレなくチェックする作業です。
この校正という作業は単純な文字修正だけでなく、クライアントが情報の優先度(どの情報が重要であるか)をデザイナーに伝える行為でもあります。
つまり、デザインのクオリティを左右させる行為でもあるのです。
もちろんこの3つ以外にも色々ありますが、最低でも以下の3つを抑えればオッケーです。
まず、こんなデザインがデザイナーからあがってきたとします!

「う、うん。悪くはない!」
「けれど、背景の色がな・・・」
「文章の改行おかしいな・・・もっとこうしたいな!」
「日付目立たせたい!」
などなど、クライアントとしては色々とデザイナーに伝えたいことが浮かんできますよね。

このようにメールの文章に直接要件を書く方法はオススメしません。
なぜかというと、デザイナーに文字を頼りに修正箇所を探し出すという「修正箇所の読解」作業が発生するためです。修正箇所を把握するスピードや正確性が格段に落ちてしまいます。
修正する前に行う作業に時間がかかるため、修正の戻りが遅くなるのはもちろん、最悪の場合はデザイナーが修正を後回しにしてしまいます。
ではどうすればよいでしょうか?
ズバリ、こうです!

具体的な方法として、印刷したものにペンなどで赤字で直接書き込んでスキャンしたデータを送るのが一般的です。
しかし、印刷〜修正〜スキャン〜送信といった流れはとても時間がかかってしまいますし、何より今はペーパーレスの時代!
Adobe Acrobat DCやHipdfを使用して、アプリやオンライン上でPDFに直接赤字を書き込んでいきましょう
Adobe Creative Cloudに登録している方であれば、インストール可能です。

次に、文字を挿入したい箇所を選択します。選択すると、画面右下のような四角い枠が現れます。

続いて、形式メニューにて文字色やサイズを変更します。
今回は小さめの赤字にしてみました。

あとはテキストを入力するだけです。

この際、どこに対する注釈なのかわかりづらかったり目立ちにくかったりするので、「テキストをハイライト表示」というモードで注釈を入れるのがおすすめです。
まずは画面上のバーからマーカーペンのアイコンを選択します。吹き出しマーク(注釈アイコン)の右となりにありますよ。

次に、修正したい箇所をマークします。
マークしたあと、その箇所をクリックすると吹き出しマークが出てきます。この吹き出しマークを押して注釈を追加してください。

ドキュメントに入っている注釈は、画面左側のツールバーにて「注釈」を選択すると一通り確認できます。 ここでは注釈に対する返信も可能なので、修正完了の旨を記載したり、質問をしたりする事もでき、とても便利ですよね。

こちらはHipdf公式サイトに詳しい使い方が載っておりましたので、ぜひ参考にしてみてください。
このように、pdf編集ソフトを用いて校正のやり取りをすると、印刷やスキャンにかかる時間を抑えられたり、修正箇所を直感的にビジュアルで把握できるようになります。
デザイナーは修正箇所や修正量がパッと見で分かるので修正ミスも少なくなりますし、修正にかかる時間も把握できるようになります。
校正側にとっても、修正されたデータと修正前データを比較しやすくなりますので見落としが少なくなり、高いクオリティが担保できます。
文章や情報の修正はサクサク依頼して問題ないのですが、デザインに関わる修正依頼をする前にはデザインの意図を確認し合いましょう。
先程のメールの文面で、
●背景の色をもっと派手な色に変更する
こんな指摘がありましたよね。
この指摘では、デザイナーからデザインの意図を聞いていません。
仮にパッと見のビジュアルが好ましくなくても、デザイナーがどういった理由でその色を選んだのか質問すると納得できる事もあります。
加えて、この指摘ではデザイナーにどういう理由で派手な色にしたいと思っているのかが伝わりませんから、デザイナーは「派手な色」が何を指すのか悩んだり的外れな色を選んだりしてしまう危険性があります。
難しいことをいう必要はありません。
「背景の色にはデザイン意図がありますか?個人的にはもう少しラーメンっぽい明るい黄色が良いと思いました。」
ちょっとした違いではありますが、ほんの少し付け加える事で、デザイナーの考えを確認し、自分の思いを伝える事が可能になります。
自分が思っているイメージを言葉でしか伝えられていない点です。
人によって言葉からイメージするものは大きく異なります。しかし、イメージ画像からであれば似たイメージを連想する事は容易になります。
よって、具体的なイメージが浮かんでいる場合はイメージ画像をデザイナーに提示するようにしましょう。

●背景の色をもっと派手な色に変更する
といった初めの指摘では、背景が蛍光ピンクになってしまう可能性だってあります。
このように画像を一緒に添えてあげると、意図が伝わりやすくなり、修正と校正を繰り返さなくても済むかもしれません。
このようにして校正を行った結果は、以下の通りです。

しっかりこちらの要望が反映されましたね。
ソフトに頼ればそこまで面倒ではありませんので、一度お試ししてみることをオススメします。
是非ともこの3点だけは意識して、校正に取り掛かってみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。 他にもお困りの点などございましたら、お気軽にCONTACTページからご連絡をお待ちしております。
アートディレクターの山口崇多です。
日に日に乾燥を感じる季節となってきましたね。
私はこう見えて乾燥しやすいタイプで、この季節は人間と干物の間になってしまいます。
街中で歩く干物を見かけたら、それは私かもしれませんね。
今回のテーマ デザイナーと円滑にやり取りするための校正
さて、今日はデザイナーとやりとりする事が多い方々に向けての記事です。もちろんデザイナーの方も、今後クライアントとやり取りする際に参考になると思いますので読んでみてください。
デザイナーとのコミュニケーションにお困りの方は、案外多くいらっしゃるのではないかと思っています。
特に校正の場面では、「伝え方が難しい」「何度伝えても思った通りにならない」などと途方にくれる事もあるかもしれません
今回のブログでは、このようなお悩みを抱える方々へ向けて校正のポイントをお伝えしていきます。
Adobe Acrobat DCやHipdfを使用して、デザイナーと上手にやり取りをしていきましょう!
校正とは何をすること?
まず、校正とはなんでしょうか?一般的には、印刷物等の字句や内容、体裁、色彩の誤りや不具合を、あらかじめ修正することを言います。
具体的に言うと、デザイナーがあげてきたデータに赤字を入れて修正をお願いしたり、完成品までに間違いがないかをモレなくチェックする作業です。
校正とは単なる間違い直しではない
校正と聞くと、「この用語、スペルミスしてます」「商品画像が一枚足りません」と言うようなケアレスミスを直していく工程を思い浮かべる方が多いかもしれませんがそれだけではありません。この校正という作業は単純な文字修正だけでなく、クライアントが情報の優先度(どの情報が重要であるか)をデザイナーに伝える行為でもあります。
つまり、デザインのクオリティを左右させる行為でもあるのです。
校正で重要なポイント3点
校正をする上で重要なことは3つあります。もちろんこの3つ以外にも色々ありますが、最低でも以下の3つを抑えればオッケーです。
①赤字を入れる場合は、デザイン原稿に直接書き込む
②デザインに関わる修正を依頼する時は、デザインの意図を確認
③自分が思っているイメージを可視化して伝える
3つのポイントを意識した校正の流れ
今回は例として、デザイナーから送られてきた「ラーメン屋さんの1周年感謝祭ポスター」の校正を、3つのポイントを意識しながら行なっていきます。まず、こんなデザインがデザイナーからあがってきたとします!

「う、うん。悪くはない!」
「けれど、背景の色がな・・・」
「文章の改行おかしいな・・・もっとこうしたいな!」
「日付目立たせたい!」
などなど、クライアントとしては色々とデザイナーに伝えたいことが浮かんできますよね。
ここでやってしまいがちな悪い例
ここで、以下のように修正箇所をメールだけで送ってしまう方が多いと思います。
このようにメールの文章に直接要件を書く方法はオススメしません。
なぜかというと、デザイナーに文字を頼りに修正箇所を探し出すという「修正箇所の読解」作業が発生するためです。修正箇所を把握するスピードや正確性が格段に落ちてしまいます。
修正する前に行う作業に時間がかかるため、修正の戻りが遅くなるのはもちろん、最悪の場合はデザイナーが修正を後回しにしてしまいます。
ではどうすればよいでしょうか?
ズバリ、こうです!
①赤字を入れる場合はデザイン原稿に直接書き込む
文字などに赤字修正を入れる際、デザイナーから上がってきた原稿には直接書きこむ方法がベストです。
具体的な方法として、印刷したものにペンなどで赤字で直接書き込んでスキャンしたデータを送るのが一般的です。
しかし、印刷〜修正〜スキャン〜送信といった流れはとても時間がかかってしまいますし、何より今はペーパーレスの時代!
Adobe Acrobat DCやHipdfを使用して、アプリやオンライン上でPDFに直接赤字を書き込んでいきましょう
Adobe Acrobat DCで校正
Adobe Acrobat DCは有名なPDF作成・編集ソフトです。Adobe Creative Cloudに登録している方であれば、インストール可能です。
①文字を入れる

次に、文字を挿入したい箇所を選択します。選択すると、画面右下のような四角い枠が現れます。

続いて、形式メニューにて文字色やサイズを変更します。
今回は小さめの赤字にしてみました。

あとはテキストを入力するだけです。

②注釈、目印を入れる
この際、どこに対する注釈なのかわかりづらかったり目立ちにくかったりするので、「テキストをハイライト表示」というモードで注釈を入れるのがおすすめです。
まずは画面上のバーからマーカーペンのアイコンを選択します。吹き出しマーク(注釈アイコン)の右となりにありますよ。

次に、修正したい箇所をマークします。
マークしたあと、その箇所をクリックすると吹き出しマークが出てきます。この吹き出しマークを押して注釈を追加してください。

ドキュメントに入っている注釈は、画面左側のツールバーにて「注釈」を選択すると一通り確認できます。 ここでは注釈に対する返信も可能なので、修正完了の旨を記載したり、質問をしたりする事もでき、とても便利ですよね。

無料がよければHipdfがオススメ!
Adobe Creative Cloudに登録していない方にオススメなのが、無料で、しかもオンライン上で利用できるHipdfです。こちらはHipdf公式サイトに詳しい使い方が載っておりましたので、ぜひ参考にしてみてください。
このように、pdf編集ソフトを用いて校正のやり取りをすると、印刷やスキャンにかかる時間を抑えられたり、修正箇所を直感的にビジュアルで把握できるようになります。
デザイナーは修正箇所や修正量がパッと見で分かるので修正ミスも少なくなりますし、修正にかかる時間も把握できるようになります。
校正側にとっても、修正されたデータと修正前データを比較しやすくなりますので見落としが少なくなり、高いクオリティが担保できます。
②デザインに関わる修正を依頼する時は、デザインの意図を確認
2つ目のポイントです。文章や情報の修正はサクサク依頼して問題ないのですが、デザインに関わる修正依頼をする前にはデザインの意図を確認し合いましょう。
先程のメールの文面で、
●背景の色をもっと派手な色に変更する
こんな指摘がありましたよね。
この指摘では、デザイナーからデザインの意図を聞いていません。
仮にパッと見のビジュアルが好ましくなくても、デザイナーがどういった理由でその色を選んだのか質問すると納得できる事もあります。
加えて、この指摘ではデザイナーにどういう理由で派手な色にしたいと思っているのかが伝わりませんから、デザイナーは「派手な色」が何を指すのか悩んだり的外れな色を選んだりしてしまう危険性があります。
難しいことをいう必要はありません。
「背景の色にはデザイン意図がありますか?個人的にはもう少しラーメンっぽい明るい黄色が良いと思いました。」
ちょっとした違いではありますが、ほんの少し付け加える事で、デザイナーの考えを確認し、自分の思いを伝える事が可能になります。
③自分が思っているイメージを可視化して伝える
先ほどの回答である「背景の色にはデザイン意図がありますか?個人的にはもう少しラーメンっぽい明るい黄色が良いと思いました。」には、一つ残念なところがあります。自分が思っているイメージを言葉でしか伝えられていない点です。
人によって言葉からイメージするものは大きく異なります。しかし、イメージ画像からであれば似たイメージを連想する事は容易になります。
よって、具体的なイメージが浮かんでいる場合はイメージ画像をデザイナーに提示するようにしましょう。

●背景の色をもっと派手な色に変更する
といった初めの指摘では、背景が蛍光ピンクになってしまう可能性だってあります。
このように画像を一緒に添えてあげると、意図が伝わりやすくなり、修正と校正を繰り返さなくても済むかもしれません。
このようにして校正を行った結果は、以下の通りです。

しっかりこちらの要望が反映されましたね。
ソフトに頼ればそこまで面倒ではありませんので、一度お試ししてみることをオススメします。
まとめ
校正を行う際、下記の3点を意識するとデザイナーとのやり取りが円滑になります。①赤字を入れる場合は、デザイン原稿に直接書き込む
②デザインに関わる修正を依頼する時は、デザインの意図を確認
③自分が思っているイメージを可視化して伝える
是非ともこの3点だけは意識して、校正に取り掛かってみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。 他にもお困りの点などございましたら、お気軽にCONTACTページからご連絡をお待ちしております。
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